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ブラッドムーンを見てはいけないと言われる理由!言い伝えをまとめた

ブラッドムーン 見てはいけない

2025年9月8日未明、約3年ぶりに日本で皆既月食が好条件で観測できそうです。

皆既月食の影響で月が赤く染まるため「ブラッドムーン」とも呼ばれています。

しかし「ブラッドムーンは見てはいけない」「ブラッドムーンは不吉の象徴だ」とも言われているようです。

なぜ、ブラッドムーンにまつわる悪い言い伝えがあるのでしょうか?

ブラッドムーンを見てはいけないという科学的根拠や特別な禁止事項はありません。貴重な皆既月食を楽しみましょう!

目次

ブラッドムーンは皆既月食のこと

ブラッドムーンは「皆既月食(かいきげっしょく)」という天体現象です。

月食とは、太陽、地球、月が一直線に並ぶことを指します。

地球の影の中に月が入り、月が欠けて見える現象です。

皆既月食が赤黒く見える理由

皆既月食の際、月は地球の影に完全に隠れます。

しかし地球には大気があるため、太陽光が全て遮断されるわけではありません。

太陽光が地球の大気を通過する際、波長の短い青い光は散乱され、波長の長い赤い光だけが屈折して月の表面を照らします。

これが、月が赤黒く見える理由です。

夕日が赤く見えるのと同じ「レイリー散乱」という原理によるものです。

つまり、ブラッドムーンは地球の大気が作り出す、自然の美しい光の芸術なのです。

「ブラッドムーンを見てはいけない」と言われている理由

皆既月食の際に現れる赤黒い月のことを「ブラッドムーン」と言います。

直訳すると「血の月」で、少し怖い印象を受けますね。

皆既月食の神秘的な見た目から古来より様々な憶測や言い伝えを生んできました。

その背景には、歴史的な言い伝えや宗教的な解釈が深く関わっているようです。

理由1. 聖書における記述と終末思想

ブラッドムーンが不吉の象徴とされる大きな理由の一つに、キリスト教の聖書における記述があります。

ヨエル書

「主の大いなる恐るべき日が来る前に、太陽は闇に、月は血に変わる」

ヨハネの黙示録

「小羊が第六の封印を解いた時、わたしが見ていると、大地震が起って、太陽は毛織の荒布のように黒くなり、月は全面、血のようになった」

「月が血のように赤くなること」が「終末の兆し」や「神の裁き」の前触れと解釈されるようになりました。

2014年から2015年にかけて、ユダヤ教の祭日に皆既月食が4回連続で起こる「テトラッド」と呼ばれる現象が発生しました。

その際には、一部で終末論と結びつけて語られ注目を集めました。

理由2. 世界各地に残る神話や言い伝え

赤い月を凶兆と捉える考えは、キリスト教圏に限ったものではありません。

古代インカ帝国

ジャガーが月を襲って食べていると考えられていました。月が血を流しているように見えるため、人々は武器を手に遠吠えをしてジャガーを追い払おうとしたとされています。

インド神話

不死の魔物が太陽と月を飲み込もうとする神話があり、月食は不吉なものとされています。

日本

日本でも、古くから「月が赤く見えると災いが起こる」という言い伝えが各地に存在します。具体的な神話としてよりも、天変地異や戦乱などと結びつけられることが多かったようです。

これらの言い伝えは、天体に関する科学的な知識がない時代に生まれたものでした。

今となっては美しい天体ショーですが、当時は神々の怒りや未知の災いと結びつけやすかったという事情があったようですね。

「ブラッドムーンを見てはいけない」という科学的根拠はない

では、ブラッドムーン(皆既月食)と地震や災害といった不吉な出来事の間に、科学的な因果関係はあるのでしょうか。

結論から言うと、科学的な根拠は一切ありません。

国立天文台などの公的機関も、天体現象と災害の発生に関連性があるという説を明確に否定しています。

月食(または他の天体現象)の際に天体の位置関係が特殊になるため、引力の影響で地震が起きやすくなるという説も。

しかし、天体現象による引力の変化はごく僅かであり、地震の引き金になるほどの力はないとされています。

歴史上天体現象が起きた時期に大きな災害が偶然発生した例はありますが、統計的に有意な相関関係は認められていません。

ブラッドムーンを美しい天体ショーとして楽しもう!

ブラッドムーンは数年に一度しか見られない、貴重で幻想的な天体ショーです。

「ブラッドムーンを見てはいけない」という言い伝えは、科学的根拠が全くないので安心して楽しみましょう。

2022年11月以来、約3年ぶりに日本全国で好条件で観測できる皆既月食です。

事前に時間と方角を確認して、この貴重な機会を逃さないようにしてくださいね。

2025年9月8日の皆既月食はいつ、どの方角に見える?

今回の月食は、9月7日(日)の深夜から8日(月)の明け方にかけて起こります

月食が進行する時刻は日本全国で同じですが、月が見える方角と高さは観測地によって少しずつ異なります。

【月食の主なタイムスケジュール(全国共通)】

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現象時刻月の様子
部分食の始まり午前1時27分月が欠け始めます。
皆既食の始まり午前2時30分月全体が地球の影に入り、赤銅色に見え始めます。
食の最大午前3時12分月が最も地球の影の中心に近づき、色が最も濃く見えます。
皆既食の終わり午前3時53分月が地球の影から出始め、輝きが戻り始めます。
部分食の終わり午前4時57分月が元の満月の姿に戻ります。

ブラッドムーンが楽しめるのは、9月8日(月)午前2時30分から午前3時53分までの約1時間23分間です

月は時間とともに南西から西の空へ移動し、高度がどんどん低くなっていきます。

皆既月食はどこで見るのがおすすめ?

月食の後半は月がかなり低い位置にくるため、南西から西の方角にかけて、地平線近くまで開けている場所が観測に最適です。

建物や山などに遮られない、見晴らしの良い場所を事前に探しておきましょう。

主要都市での月の高度の目安(数字が大きいほど、月が高い位置に見えます)

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都市皆既食の始まり (2:30)食の最大 (3:12)部分食の終わり (4:57)
札幌約25度約20度約3度
東京約31度約24度約5度
京都約34度約27度約9度
福岡約38度約32度約13度
那覇約45度約38度約17度

西日本のほうが全体的に月の高度が高く、観測条件にはやや恵まれています。

観測のポイントと持ち物

月食は肉眼でも十分に楽しむことができ、特別な望遠鏡などは必要ありません。

双眼鏡などを使用すると、月のクレーターの様子や赤銅色の濃淡まではっきりと見え、より迫力のある月食を楽しめます。

9月とはいえ深夜から明け方は冷え込む可能性があります。

羽織るものなど、暖かい服装の準備があると万全です。

深夜の観測となるため、足元が安定していて周囲の安全が確保できる場所を選びましょう。

次に日本全国で好条件の皆既月食が見られるのは2026年3月3日です。

ぜひこの機会に、神秘的な赤銅色の月「ブラッドムーン」の観測を楽しんでください!

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