2026年3月から行われる野球の国際大会「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)」。
2023年に行われた前回大会は、侍ジャパンの劇的な世界一で日本中が熱狂しましたよね!
「あの感動を再び!」と多くのファンが心待ちにする2026年大会に衝撃的なニュースが飛び込んできました。
「2026年WBCは、Netflixの独占配信となり、地上波での放送は行われない」
前回大会の決勝・アメリカ戦では平均世帯視聴率42.4%を記録するなど、まさに「国民的イベント」となったWBC。
なぜ、2026年大会は地上波テレビから姿を消すのでしょうか?
WBC2026が地上波テレビで見られない理由は「放映権」
2026年大会のWBCがNetflix独占配信になった理由は以下の通りです。
- 異常なまでに高騰した「放映権料」
- テレビ放送からネット配信へ移行する時代
- WBC主催者(MLB)の「日本市場刈り取り」戦略
理由1:異常なまでに高騰した「放映権料」
最も大きな原因は、放映権料が日本のテレビ局の支払い能力をはるかに超える金額に跳ね上がったことです。
大会(開催年) | 放映権料 |
---|---|
前回大会(2023年) | 約30億円 |
今回大会(2026年) | 約150億円(推定) |
報道によると、放映権料は前回の5倍にまで高騰しました。
野球に限った話ではありませんが、スポーツの放映権は年々上昇傾向にあります。
Netflixに支払える放映権料を、なぜ日本のテレビ局は支払えないのでしょうか?
答えは、ビジネスモデルの違いにあります。
日本の地上波テレビ局は、番組の間に流れるCMの「広告収入」が収益の柱です。
しかし、このモデルでは150億円もの投資を回収するのは極めて困難となります。
一方で、Netflixは多くの有料会員を抱えるサブスクリプション(定額課金)モデルです。
Netflixにとって150億円は、WBCというキラーコンテンツを使って日本の新たな有料会員を獲得するための「戦略的投資」。
世界市場を相手にするグローバル企業と、国内市場に依存する日本のテレビ局とでは、あまりにも資本力に差がありすぎたのです。
理由2:テレビ放送からネット配信へ移行する時代
今回のニュースはネット視聴時代の変化を大きく感じさせるものでした。
- 若者を中心とした「テレビ離れ」
- スマホやスマートテレビで好きな時に好きなものを見るネット配信の普及
アメリカでは、すでにストリーミング(ネット配信)の視聴時間がテレビを越えています。
日本もその流れの中にあり、スポーツ中継も例外ではありません。
サッカー日本代表戦が地上波で見られないケースが増えたのも、同じ構造です。
地上波放送がなければ、「普段は野球を見ない層」や「たまたまチャンネルを合わせた人」が試合を目にする機会は激減します。
2023年大会の熱狂を支えた国民全体の一体感が失われるのではないか、少年野球への入門者が減ってしまうのではないか、といった懸念の声が上がるのは当然のことです。
理由3:WBC主催者(MLB)の「日本市場刈り取り」戦略
放映権料はここまで高騰した背景には、WBCを主催するWBCI(実質的にはメジャーリーグ機構=MLB)の明確な方針転換があります。
MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーは以前、
「日本のマーケットは宝の山。1500億円の可能性がある」
と発言したと報じられています。
まさにその言葉通り、MLBはこれまで日本の代理店に任せていたビジネスを、自らが直接コントロールし、利益を最大化する戦略に舵を切りました。
今回のNetflixへの独占放送権の直接販売は、その象徴的な出来事です。
もはやWBCは「日本の野球ファンが楽しむための大会」という側面だけでなく、「MLBが日本市場から収益を刈り取るための巨大ビジネス」という側面が強くなったのです。
WBC2026をNetflix以外で見る方法はある?
結論から言うと、2026年WBCをNetflix以外で視聴する方法はありません。
Netflixが独占配信権を獲得したため、他のテレビ局や、Amazon Prime Video、DAZNといった他の配信サービスで放送・配信されることはありません。
視聴するには、Netflixのいずれかの有料プランに加入する必要があります。
- 広告つきスタンダード:月額890円
- スタンダード:月額1590円
- プレミアム:月額2290円
※料金は変更される可能性があります。
一番安いプランで月額890円です。
Netflixは契約の縛りがないので、いつでも解約することができます。
WBCの過去5大会の放送を振り返る
過去5大会の主な放送体制は以下の通りです。
開催年(大会) | 主な放送局(日本戦) | 特徴 |
2023年(第5回) | 地上波:テレビ朝日、TBS ネット配信:Amazon Prime Video など | 地上波での高視聴率に加え、Prime Videoでの配信も行われ、視聴方法が多様化した大会。 |
2017年(第4回) | 地上波:テレビ朝日、TBS BS/CS:J SPORTS | テレビ朝日とTBSが地上波の放映権を獲得し、J SPORTSが全試合を放送する体制が定着。 |
2013年(第3回) | 地上波:テレビ朝日、TBS BS/CS:J SPORTS | 日本代表の3連覇がかかった大会。この大会もテレビ朝日とTBSが中心となって地上波で放送。 |
2009年(第2回) | 地上波:テレビ朝日、TBS BS/CS:J SPORTS | 侍ジャパンが2連覇を達成。決勝戦をはじめ、主要な試合は地上波で生中継さた。 |
2006年(第1回) | 地上波:日本テレビ、TBS、テレビ朝日 BS/CS:J SPORTS など | 記念すべき第1回大会。地上波3局が分担して日本戦を放送する体制となった。 |
このように、前回大会まではテレビ朝日とTBSがタッグを組んで地上波放送を担うのが主流でした。
地上波放送が当たり前と思っていたので、今回のNetflix独占配信のニュースは大きな衝撃でしたね。
まとめ
2026年のWBCが地上波で見られない理由について書きました。
- 放映権料が前回比5倍の約150億円まで高騰し、広告収入に頼る日本のテレビ局では到底太刀打ちできなくりました。
- テレビからネット配信へと人々の視聴スタイルが移行している大きな流れがあります。
- WBC主催者であるMLBが、日本市場での利益を最大化するために直接ビジネスを展開する方針に切り替えたことも要因です。
侍ジャパンの試合を観るためにはNetflixへの有料登録が必須となります。
誰もが無料で熱狂を共有できた「国民的イベント」は、視聴者を選ぶ時代へと入りました。
これはWBCだけの問題ではなく、今後の五輪やサッカーW杯など、あらゆるスポーツコンテンツの未来に影響を及ぼすニュースとなりそうです。
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